固体量子物性特論

シラバス参照

固体量子物性特論 第1回レポート

一次元的に水素が並んだ、仮想格子を考える。このとき、水素原子は平均的に、1 原子あたり
一つの電子スピンで占有され、s 軌道のみを持つと考えて良い。更に、水素原子の原子波動関
数を φ(r) とするとき、ホッピング積分 t、原子の番号を n とするとき、

t =∫φ∗n+1(r)Hφn(r)dr

と定義する。上式は隣り合う原子同士でのみホッピングが生じるという意味であり、n の大き
い側へホッピングのみを記述しているが、解答では対称な動きのホッピングも考えよ。また、
格子の無限遠には周期境界条件が課されているため、「端」は存在しないと仮定する。H はハ
ミルトニアン(演算子)である。

以上の条件のもと、エネルギー − バンド分散の概形を示せ。なお、「巡回行列の固有状態は
フーリエ変換行列の列で与えられる」という数学的定理は説明せずに用いて良い。
解答に際し、縦軸は当然エネルギー固有値 ε を示すものとした上で、横軸が何を意味するかを
簡潔に説明せよ。フェルミエネルギーも(もし分かるならば)バンド構造の中に図示せよ。


固体量子物性特論 第2回レポート

まず、VESTA をダウンロードせよ。https://jp-minerals.org/vesta/jp/download.html
続いて、COD(https://www.crystallography.net/cod/) から cif ファイルを取得し、
VESTA を用いて cif ファイルを読み込むことで、結晶構造を描画せよ。描画するものは以
下のリストに該当するものを適当に一種類選択せよ。
(a) 銅酸化物高温超伝導体
(b) 鉄系超伝導体
(c) ニッケル酸化物超伝導体
なお、cif の元となる文献の引用元を明記せよ。
また、含まれる構造について「適当な」分類を行え。例えば、

  • 蛍石構造
  • 塩化ガリウム構造
  • セン亜鉛鉱型構造
  • ウルツ鉱型構造
  • ペロブスカイト構造
  • ルドルスデンポッパー構造
    などの用語を用いて説明して良い。用語はウエスト「固体化学」などに記載されているし、イ
    ンターネット上の情報を元にするのも可(出典を明記せよ)。なお、分類方法は上記のような
    教科書的な正解を予想して記述しても良いが、独自の視点を持ち込んでも良い。

固体量子物性特論 第3回レポート

(1) まず、Quantum Espresso(以下、QE)をインストール可能な Linux 環境(WSL など)
を用意して QE を自身の PC にインストールせよ。あるいは、putty を用いて、講義内で
示されたサーバーにリモートログインせよ。
QE をインストールする場合、以下のリンクを参考にせよ。
https://00m.in/QSwsg
(2) インストールが済んだら、Si 結晶について、バンド構造描画の練習をせよ(この練習はレ
ポートに記載しなくてよい)。以下のリンクを参考にせよ。
https://00m.in/XzEkr
(3) (以下が具体的に提出する課題)
続いて、以下のカテゴリ
(a) 銅酸化物高温超伝導体
(b) 鉄系超伝導体
(c) ニッケル酸化物超伝導体
について、
(i) 該当する物質を一つ選び (第 2 回課題で考察した構造と全く同じで良い)、カテゴリ
名と物質名(化学式)をレポートに明記せよ。
(ii) 選んだ物質について、第一原理バンド計算を実行せよ。
(iii) さらに、電子のバンド構造を描画せよ。
ブリルアンゾーン中の波数の点の定義は以下のリンクを参考にせよ。
https://www.quantum-espresso.org/Doc/user_guide_PDF/brillouin_zones.pdf ✒ ✑

固体量子物性特論 第4回レポート

第3回のレポート課題で第一原理バンド計算を実行した物質について、
(1) Wannier90 あるいは RESPACK などを用いて有効模型を導出せよ(バンド本数は 1 から
10 本程度になるように、模型を設定せよ)。
(2) 有効模型のバンド構造を描画せよ。
(3) さらに、「結晶場理論」に基づいて、模型部分の簡単な考察を行え。
参考リンク
Wannier90
https://00m.in/eSXlP
https://00m.in/DucLY
RESPACK
https://sites.google.com/view/kazuma7k6r(九州工業大学中村和磨教授公式サイト)
https://00m.in/XnBPL

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